どんぐりころころ


どじょうが出て来て 今日は/坊ちゃん一緒に 遊びましょう
2.どんぐりころころ よろこんで/しばらく一緒に 遊んだが
やっぱりお山が 恋しいと/泣いてはどじょうを 困らせた
楽しく歌える人気童謡作品ですが、作者の2人についてはあまり知られていないようです。
作詞者:青木存義(あおき・ながよし)…1879年(明治12年)8月15日-1935年(昭和10年)4月19日。国文学者。東京音楽学校教授・文部省図書監修官を歴任した。
作曲者:梁田貞(やなだ・ただし)…1885年(明治18年)7月3日-1959年(昭和34年)5月9日。学校音楽教育者。北原白秋作詞『城ヶ島の雨』の作曲も名高い。
冒頭で「どんぐりころころ…」の続きを「どんぐりこ」と歌ってしまいそうですが、これは間違い。小さなどんぐりが転がって、大きな池に落ちる様子を描いているので「どんぶりこ」になります。水を満杯に入れた大きなどんぶり(丼)の中に、小さなものをポトンと落としてみる。こんなふうに「…どんぶりこ」を覚えられるかもしれません。
『どんぐりころころ』の歌詞も、作詞者の少年時代の実体験から生まれたそうです。青木存義は子供の頃から読書が大好きで、毎晩遅くまで本を読んでは朝寝坊ばかりしていたので、母親が息子に早起きをさせるため、自宅の池にどじょうを放っていたとのこと。
梁田貞が書いた曲も、彼のもうひとつの代表作『城ヶ島の雨』とは全く違う持ち味が出ています。
時代の流れとともに、言葉の意味や使い方は微妙に変化してゆくものです。「はまる」(嵌まる・填まる)という言葉は“夢中になる、熱中する”の意味でも広く使われるようになりました。
『どんぐりころころ』からの ♪…にはまってさあ大変♪ の表現も、いろいろな場面で使えそうです。

