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ジュゼッペ・シノーポリ

Giuseppe_Sinopoli_Model  Schumann_Sinopoli

今年の春は「没後10周年」を迎える音楽家が多く、その豪華な顔触れに驚かされます。
* 4月7日並木路子(1921年9月30日-2001年4月7日)-日本の女性歌手。『リンゴの唄』で有名。
* 4月14日:三波春夫(1923年7月19日-2001年4月14日)-日本の男性歌手。
* 4月20日ジュゼッペ・シノーポリ(1946年11月2日-2001年4月20日)-イタリアの指揮者。
* 5月17日:團伊玖磨(1924年4月7日-2001年5月17日)-日本の作曲家。
イタリアの名指揮者であったジュゼッペ・シノーポリ氏は、2001年4月20日に「ベルリン・ドイツ・オペラ」でヴェルディの歌劇『アイーダ』を指揮中、第3幕の途中で心筋梗塞を起こし、指揮台の上に倒れて亡くなりました。まだ54歳5か月という若さでした。
あれほど精力的に活動した人気指揮者であったのに、10年の歳月が流れたら、日本語のオンライン資料が非常に少なくなっていました。(参照資料:123

クラシック音楽指揮者の中でも、ジュゼッペ・シノーポリ氏ほどユニークな背景を持つ巨匠(マエストロ)は少ないでしょう。彼はプロ音楽家の勉強と併行して、精神医学の博士号まで取得した人であり、生涯を通じて広範囲の学問に深い関心を保ち続けました。指揮活動のみならず、現代音楽の作曲家としても名声を築きました。
私が初めてシノーポリ氏の存在を知ったのは、たしか中学生ぐらいの頃、1983年に録音された「シューマン交響曲第2番 ハ長調 作品61」のレコードでした。作曲家ロベルト・シューマン(1810年-1856年)が精神疾患患者であり、病状の思わしくなかった時期に書かれた管弦楽作品であることから、シノーポリ氏による斬新な解釈は“精神科医が見た精神病者の音楽”としてクラシック音楽ファンの注目を集めました。シノーポリ氏は1990年代に「シューマン:交響曲全集」を録音したので、第2番は新旧2種類の盤が残されたことになります。オーケストラは第2番の旧録音がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で、後年の交響曲全集はシュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立管弦楽団)でした。

シノーポリ氏は54年の生涯中に何度も来日しましたが、私の印象に強く残った出来事は、1992年3月のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団創立150周年記念「ワールド・ツアー」で“代役の代役”に選ばれたことです。もともとはカルロス・クライバー氏が日本公演を指揮する予定でしたが“案の定”(?)直前にキャンセルとなり、急遽クライバー氏の代役に指名されたのがシノーポリ氏でした。
ところが、この話にはもっと前からのアクシデントがありました。最初の計画ではレナード・バーンスタイン氏が担当する予定だったのですが、ワールド・ツアーの1年半も前、1990年10月14日にバーンスタイン氏が亡くなったことにより、クライバー氏に2つの仕事が入ってきたわけです。ひとつは1992年1月1日のウィーン・フィル「ニューイヤー・コンサート」で、もうひとつが3月の創立150周年記念ワールド・ツアーでした。期待感を奪われたバーンスタイン・ファンの私が、この経緯を忘れるわけがないでしょう!

イタリアはオペラの宝庫として、歴史に名を残す作曲家や演奏家を多数輩出してきました。ジュゼッペ・シノーポリ氏も傑出したオペラ指揮者として、シュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場の専属管弦楽団)やベルリン・ドイツ・オペラなどで音楽監督を務め、亡くなった時はシュターツカペレ・ドレスデンで首席指揮者の地位にありました。彼が指揮台の上に崩れ落ちたベルリン・ドイツ・オペラのコンサートは、2つの意味で特別な場所であり、聴衆は彼の突然の最期に「数奇なる運命」を見て取りました。
ひとつは「ヴェルディ没後100周年」の記念行事であったこと。イタリアが誇るオペラ作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディ(1813年10月10日-1901年1月27日)にまつわるイベントが、世界各地で開かれていました。
もうひとつは、ベルリン・ドイツ・オペラシノーポリ氏と対立関係にあったオペラ演出家、ゲッツ・フリードリヒ氏(Götz Friedrich, 1930年8月4日-2000年12月12日)の追悼演奏会の最中であったこと。シノーポリ氏はコンサートのプログラムに、かつての宿敵であったフリードリヒ氏への追悼文を書き記したそうです。
何ということでしょう-あれほどの名指揮者が、輝き盛りの時期に志半ばで倒れたとは。あの衝撃のニュースから10年の歳月が流れ、クラシック音楽界も活気が落ちてきたように感じられます。

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