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琵琶湖周航の歌

Biwako_Cruising_Song_1  Biwako_Cruising_Song_2

琵琶湖周航の歌』 (作詞・小口太郎/作曲・吉田千秋) <歌詞URL資料館

京都の「旧制第三高等学校」(現・京都大学)ボート部で歌い継がれてきた『琵琶湖周航の歌』。楽曲の成立経緯などについては、ごく最近になって目覚ましい研究成果が明らかになりました。本格的な専門サイトが2年前に立ち上がりましたので、本ブログの記事ではそちらにリンクしておきます。

琵琶湖周航の歌』の原型が誕生したのは、1917年(大正6年)6月28日のことです。旧制第三高等学校の「水上部」(当時の呼び方)では、学期末にあたる6月末-7月始めにかけて、ボートで琵琶湖を周航する慣例があったそうです。部員たちが知っていた「ひつじぐさ」という既存曲のメロディと、小口太郎の書いた詩がうまく溶け合って、ここから歌の伝説が始まりました。
作詞者の小口太郎(おぐち・たろう、1897年8月30日-1924年5月16日)は、青春を過ごした第三高等学校「水上部」を巣立った後、優れた科学者として研究生活を始めます。ところが、その後いろいろな挫折に悩むようになり、1924年(大正13年)5月16日に入院先の精神病院で、わずか26歳8か月の若さで亡くなりました。長い間伏せられてきましたが、リンク先の資料によれば自殺だったようです。

多年に及んだ研究を経て、ごく最近になって得られた待望の成果。周航歌の原曲にあたる「ひつじぐさ」という曲の楽譜と、作曲者・吉田千秋の名前と生涯が、ようやく明らかになりました。
原曲と作曲者探しに生涯を費やした人は、三高卒業生の堀準一氏でした。リーダーズ・ダイジェスト社の記事で「『琵琶湖周航の歌』について、詳しい事は全く分からない」と書かれた記述に接し、1970年から周航歌の研究に着手します。小口太郎の友人のぼやけた記憶から「ひつじぐさ」という曲名を聞き出し、日本経済新聞の記事を手がかりに、詳細な点まで覚えていた岡本愛祐氏を探し当てます。楽譜は戦災で失われましたが、岡本氏が行った吹き込みが、信頼性の高い資料になりました。
それから作曲者探しの道程が始まり、ようやく1980年代に入る頃、雑誌「音楽界」大正4年(1915年)8月号に「ひつじぐさ」の楽譜を発表した「吉田ちあき」(吉田千秋)にたどり着きました。
ヒツジグサ(未草)とは、スイレン(睡蓮)の中でも小さな花を咲かせる水生植物です。

Biwako_Cruising_Song_3Biwako_Cruising_Song_3

吉田ちあき」(吉田千秋)とはいったい誰なのか。作曲者の姿を見つけられないまま、堀準一氏は1991年に亡くなりました。彼が築いた基礎の上に、さらなる研究が進められて行きます。最終的な決め手は、1993年6月に掲載された「新潟日報」の記事でした。地理学者・吉田東伍(1864年-1918年)の企画展準備のため、吉田家の系図を製作した旗野博氏が、東伍の次男「千秋」の名前を見つけ出したのです。
吉田千秋(1895年2月18日-1919年2月24日)は早くから肺結核を患い、父親が彼のために購入した蓄音機とレコードを通して、語学と音楽を独学で習得したそうです。「ひつじぐさ」の楽譜が雑誌「音楽界」大正4年(1915年)8月号に掲載されたのは、千秋が20歳半の時でした。吉田東伍が1918年(大正7年)1月22日に死去すると、千秋の病状は悪化の一途をたどり、1919年(大正8年)2月24日に祖父母の家がある故郷で、わずか24歳と6日の短すぎる生涯を終えました。

23年もの歳月をかけて、ようやく完結した《『琵琶湖周航の歌』作曲者探しの周航の旅》。旧制第三高等学校の水上部(京都大学ボート部)における始まりから、実に76年目の終着点でした。
日本の元号で「大正」時代から歌い継がれてきた伝統の名曲は、60年以上にわたって続いた「昭和」時代の歴史を経て、ようやく「平成」5年に作者名が判明したわけです。

<『琵琶湖周航の歌』作者プロフィール・まとめ>
作詞者:小口太郎(おぐち・たろう)…1897年(明治30年)8月30日-1924年(大正13年)5月16日。
作曲者:吉田千秋(よしだ・ちあき)…1895年(明治28年)2月18日-1919年(大正8年)2月24日。

動画1:京都大学の学生による斉唱版。6番まで通して歌い、前奏の後は伴奏がつかない。


動画2:加藤登紀子さんの歌唱版。この録音では、歌詞が4番までで終わっている。

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