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ユリアンナ・アヴデーエワ・リサイタル

11月11日、私は浜松駅前の「アクトシティ」中ホールへ「ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル」を聴きに出かけました。他の用事でアクトシティの建物の前を通ったことはありますが、コンサート・ホールでの音楽鑑賞は初体験です。
ユリアンナ・アヴデーエワさんは2010年度「第16回フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール」(通称ショパン・コンクール)で優勝したロシアのピアニストで、1985年7月3日生まれの26歳。「ショパン生誕200年記念」節目のコンクールを制覇した彼女は、それから1年後の来日公演で、今年生誕200年の節目を迎えた作曲家フランツ・リストの「晩年作品」を軸に据えた、かなりハードな内容のプログラムを組みました。

<演奏会プログラム>
* ショパン:舟歌 嬰ト長調 作品23
* ラヴェル:ソナチネ
* プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第2番 ニ短調 作品14
-休憩-
* リスト:悲しみのゴンドラ(第2版)
*  〃 :灰色の雲
*  〃 :調性のないバガテル
*  〃 :ハンガリー狂詩曲 第17番 ニ短調
* ワーグナーリスト編曲):歌劇『タンホイザー』序曲
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<アンコール曲> (3曲ともショパンのマズルカ)
* ショパン:マズルカ 第45番 イ短調 作品67-4
*  〃 :マズルカ 第5番 変ロ長調 作品7-1
*  〃 :マズルカ 第25番 ロ短調 作品33-4

ホールの開場時間は午後6時半で、開演は午後7時。私は駅前近くのビジネスホテルを予約し、1泊2日旅行のプランを組みました。席は左から4番目で、ピアノリサイタル鑑賞には最適の位置を取れました。
コンサート会場に入ると、プログラムのパンフレットやアヴデーエワさんのCDと一緒に、コンクールの様子を特集した専門雑誌「月刊ショパン」2010年12月号のバックナンバーも販売されていました。普段は月刊音楽雑誌を買わなくなったので、これも一緒に購入しました。

アクトシティの中ホールはほぼ満員。ステージに登場したアヴデーエワさんは、いつも通り黒いスラックスのスーツをまとい、ほとんど間を置かずに最初の曲を弾き始めました。両腕と脚をぴったり包んだスーツ姿を見て、私はできるだけ空気抵抗の少ないウェアを着る、競技スポーツ選手の服装に近い(?)イメージを抱きました。ショパン・コンクールの時は、どんなハプニングにも動揺しない、落ち着いたパフォーマンスが高く評価されたそうですが、この浜松でも非常に濃密な内容のプログラムで、終始堂々たる演奏を披露してくれました。
20分の休憩時間を経て、いよいよ後半演目のハイライトとなるリストの晩年作品群へ。比較的短い曲が多かったこともあり、アヴデーエワさんは4曲を一気に続けて弾いてから「ハンガリー狂詩曲 第17番」の後に立ち上がりました。リストの「ハンガリー狂詩曲」は全部で19曲残されましたが、第17番の演奏時間は3分ほどです(驚)。最後を締めくくる[ワーグナー作曲/リスト編曲版]歌劇『タンホイザー』序曲には、会場のみんなが熱心に耳を傾けました。
おそらく「ショパン・コンクール優勝者」に対する主催者側の要望でしょうか、アヴデーエワさんはアンコールを3曲ともショパンのマズルカでまとめました。

Yulianna_Avdeeva_Recital_1  Yulianna_Avdeeva_Recital_2

コンサートの終演後、入口のロビーでサイン会が開かれました。私は比較的早い順番に並び、サインと握手をした時「ユリアンナ、おつかれさまでした」と日本語で話しかけてみました。アヴデーエワさんは手のひらの幅が並外れて広く“あったかい手を握る”雰囲気とは少し違いましたが「この手から、あの骨太な演奏が生まれるんだな」納得した瞬間でした。
濃密なプログラムをじっくり聴かせるアヴデーエワさんの力量も素晴らしかったのですが、それ以上に印象が良かったのは「一緒に聴いたお客さんが、皆しっかりしていた」ことです。学校の制服を着た若い学生さんや、団体客の方もいらっしゃいましたが《ショパン・コンクール優勝者を見に行く》雰囲気とは違い、みんなが彼女のピアノを通して「リストの音楽」を熱心に聴いていました。

ホテルに戻ってから、買ってきた雑誌のバックナンバーを読みました。コンサートに行く前は、ひとりの女性としてのアヴデーエワさんについては全く無知でしたから、すべてが驚くことばかりでした。
* ショパン・コンクールを受験したのは、ご主人の勧めからだったという。すなわち、既婚女性であること。
* 第16回ショパン・コンクールでは、最初の書類&DVD審査で「予備審査」受験者を決定した時、最初に160名+後から55名を追加して、最終的には215名に予備審査の受験資格を与えた。アヴデーエワさんは最初の160名に選ばれず、後から追加された55名のひとりだったという(!!)。
* いつも黒いスラックス・スーツを着るのは、華美なステージ衣裳が「自分の演奏の妨げになる時もある」と考えるからだという。たとえばショパンのピアノ・ソナタ第2番(第3楽章が「葬送行進曲」)のような曲を、華美なドレスで弾くのはふさわしくないという。(→そう言われたら、リストの晩年作品も黒のスーツしかあり得ない。)

現段階ではまだはっきりした情報がありませんが、いつかアヴデーエワさんとレコード会社との正式な録音契約ができたら、本格的なデビューCDを買って聴くのが楽しみです。その時になれば、彼女の音楽観や世界観をより深く知る機会もできることでしょう。

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とにかく音楽が大好き。クラシック・ポピュラーのCDで自室を埋め尽くしています。

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