スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

BEAT THE BOOTS!!

Beat_The_Boots_Model_1Compact_DiscCompact_Disc

「音の海賊たちが表通りをのし歩く」-今から22年前、朝日新聞のニュース週刊誌「AERA」(アエラ)1991年11月5日号に掲載された記事。当時大学生だった私は、音楽の「海賊盤CD」に関する論説記事を興味津津で読みました。
一番面白かったのが、ロック音楽界の鬼才フランク・ザッパ氏によるアルバム「ビート・ザ・ブート」(海賊盤をやっつけろ)の話。ザッパ氏はこの記事からちょうど2年後、1993年12月4日に52歳で亡くなりました(1940年12月21日-1993年12月4日)。

そもそも「海賊版」とは何なのか。まず最初に、コトバンクのリンクから「世界大百科事典・第2版」の説明を引用することにします。
* 海賊版-国際条約によって保護されている著作物を、条約関係にある他国において、著作権者の許諾なしに無断で複製、頒布したもの。
この違法行為は、どうして「海賊版」と呼ばれるようになったか。以下は語源由来辞典海賊版海賊盤」の項目から引用することにします。
* 【意味】-海賊版とは、著作権者に無断で複製された書籍やソフトウエアなど。海賊盤とは、海賊版のうち音楽に関わるレコードやCD、テープやビデオなど。
* 【語源・由来】-海賊版は、英語「pirated edition」の訳である。「pirate」は、海賊略奪者という意味から派生し、著作権侵害者特許権侵害者という意味を持つようになり、著作権侵害の複製版で「pirated edition」となった。
音楽における「海賊盤」の定義と語源については、上記のAERA記事から引用することにします。
* 海賊盤。英語でBootleg(ブートレッグ)。もともとは密造酒(みつぞうしゅ)の意味で、酒瓶を長靴の胴に隠したことから、この名がついた。
有名アーティストのコンサート会場などへ、ひそかに録音機材を持ち込み、無断で収録したライブ音源の海賊盤レコードは、昔から大きな需要がありました。音楽史上屈指の多作家として知られたフランク・ザッパ氏も、世界各地で収録された海賊盤音源に頭を悩ませたひとりだったのです。(公式サイト

1940年12月21日、アメリカ・メリーランド州ボルチモアに生まれたフランク・ザッパ氏は、1966年6月にデビューアルバム『Freak Out!』(フリーク・アウト!)を発表して以来、音楽史上稀に見るほどの驚異的な活動を繰り広げました。非常に広い範囲のジャンルをまたいで、膨大な量の作品を書いた多作家であり、生涯中に60枚を超えるオリジナル・アルバムを発表しました。ザッパ氏は熱心な政治活動家でもあり、民主党支持者としてレーガン大統領率いる共和党政権の政策に反対し、自ら1988年度のアメリカ合衆国大統領選挙に立候補を検討したことさえあります。
ザッパ氏が自分の体調の異変に気づいたのは、1990年の春でした。彼の身体は、10年以上前から前立腺癌に蝕まれ、すでに手遅れ状態だったのです。命の終わりが近いことを悟ったザッパ氏は、直ちにいくつかの重要なプロジェクトに着手します。その中には、デビュー以来25年間、ずっと悩まされ続けてきた「海賊盤」への抗議キャンペーンもありました。

Beat_The_Boots_Model_2   Beat_The_Boots_Boxset

デビュー25周年を迎えたザッパ氏は、1991年夏に雑誌のインタビュー記事で、自らの海賊盤音源についてこんな苦情を述べています。(資料URL
「この25年間、オレは50枚ばかりのオフィシャル・アルバムを作ってきた。でも、小さなカセット・マシーンを持った連中が、その8倍ものアルバムをどうやってか作ってしまい、それを売ってたんだな。」
ザッパ氏が考えたアイデアとは、膨大な海賊盤音源の中から、完成度の高い物を厳選して「正規のレコードとして自分の会社から発売する」ことでした。これが《Beat The Boots!》(海賊盤をやっつけろ)という名前の限定ボックス・セットになったわけです。
この前代未聞の企画は、日本のマスメディアにも広く紹介され、国内盤「フランク・ザッパ/ビート・ザ・ブーツ:雑派大魔神シリーズ」の発売が実現しました。「雑派大魔神」とは、多種多様なジャンルの音楽を作曲してきたザッパ氏に、これ以上ないほどぴったりの当て字です。

Beat The Boots I》 (全8枚組:1991年7月発売)
* As An Am (雑派大魔神ニューヨークで憤激)
* The Ark (雑派大魔神ボストンで立腹)
* Freaks & Motherfu*#@%! (雑派大魔神フィルモアで逆襲)
* Unmitigated Audacity (雑派大魔神ノートルダムで激怒)
* Anyway The Wind Blows (雑派大魔神パリで逆鱗)
* 'Tis The Season To Be Jelly (雑派大魔神スウェーデンで逆上)
* Saarbrücken 1978 (雑派大魔神ザールブリュッケンで激昂)
* Piquantique (雑派大魔神ストックホルムで激憤+シドニーで憤慨)

1992年6月、ザッパ氏は《Beat The Boots!》シリーズの第2集を出し、新たに正規音源化した7枚の海賊盤を限定ボックス・セットで発売しました。こちらには「雑派大魔神」の日本語題はありません。
あれほど精力的な音楽活動を続けてきた“大魔神”にも、ついに命の終わりが訪れ、1993年12月4日午後6時に前立腺癌のため、52歳という若さでこの世を去りました。

Beat The Boots II》 (全7枚組:1992年6月発売)
* Disconnected Synapses
* Tengo Na Minchia Tanta
* Electric Aunt Jemima
* At The Circus
* Swiss Cheese/Fire!
* Our Man In Nirvana
* Conceptual Continuity

ザッパ氏の没後15年を経て、2009年1月に《Beat The Boots III海賊盤をやっつける3度目の企画が実施されました。新たに追加された6枚の海賊盤音源が「ザッパ・レコーズ」から、MP3ダウンロードファイル形式のみで販売され、CD盤はもうありません。生前に企画された2種類のセットも、現在はダウンロード販売で購入可能です。

きょうはフランク・ザッパ氏の「没後20周年」節目の命日。彼の生涯最後のプロジェクトになった《Beat The Boots》シリーズから、第1集の1枚目「As An Am」最終曲《The Torture Never Stops》(邦題「拷問は果てしなく」)を入れてみました。これはオリジナル・アルバム『Zoot Allures』(ズート・アリュアーズ)第3曲に収められた超大作です。(ザッパ作品紹介

«The Torture Never Stops» by Frank Zappa <歌詞URL
(本作は歌詞の日本語訳サイトが見つからず:邦題「拷問は果てしなく」のみでお許しを)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

SC

Author:SC
とにかく音楽が大好き。クラシック・ポピュラーのCDで自室を埋め尽くしています。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新コメント
最新トラックバック
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。