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田舎の冬

Country_WinterCountry_Winter

田舎の冬』 (作詞・不詳/作曲・島崎赤太郎) <歌詞URL:12

1.ましろに おく霜 峰の雪/しずかに さめくる 村の朝
ほういほい ほういほい むら雀/かり田のかかしに ひの光
2.ひなたにつづるは 古ごろも/軒(のき)には垂氷(たるひ)の とくる音
ほういほい ほういほい 寒烏(かんがらす)/門辺(かどべ)の枝には 柿二つ
3.いろりに榾(ほだ)たく 夕けむり/枯野に風立ち 日のくるる
ほういほい ほういほい 渡り鳥/鎮守(ちんじゅ)の林に 宿かさん

はるか昔に学校音楽教科書から消滅して、今はもう接する機会もなくなったのに、ずっと前に聴いた覚えがある「あの歌」が忘れられなくて、遠い記憶をたぐり寄せ、五線楽譜や録音音源を探し回る-。若い読者の方には分からない感覚かもしれませんが、ブログ・SNSなどで年配の方のお話を伺うと、時折そんな歌との出会いもあって「温故知新」の醍醐味を感じます。
私にとって『田舎の冬』は、年配のブログ仲間を通して出会った、貴重な歌になりました。なにしろ詩の言葉遣いが古風だから、教科書から早く消滅した(→学校で習わなかった)のは仕方ないことですが、陰うつで物憂げな雰囲気に満ちたニ短調(フラット1つ、D-minor)のメロディー、1度聴いたらずっと忘れられない。私自身が田舎在住(それに寒がり)なので、都会の方よりも『田舎の冬』に親しみがわくのかもしれません。
ごく最近になって『田舎の冬』の録音音源が動画サイトにアップされ、歌を知らない方でも手軽に聴けるようになりました。

この歌詞には難解な表現が多く含まれているので、文語の言葉を拾い出しながら、大雑把な意味を考えてみたいと思います。
最大の特徴は ♪ほういほい ほういほい~♪ 鳥たちへのかけ声でしょう。1番は「群雀」(むら雀)スズメの群れに、2番は「寒烏」(かんがらす)冬のカラスに、3番は「渡り鳥」に呼びかけます。

1番(朝の情景):真白な霜と峰の雪をいただき、村の朝が静かに明けてゆく。ほういほい、雀の群れよ、稲刈りを終えた後の田んぼに残された案山子(かかし)にも、日の光が当たっている。
2番(昼の情景):日なたでは古い服を縫い合わせ、軒先ではつららの溶ける音がする。ほういほい、冬がらすよ、門のそばの枝に柿が二つなっている。
3番(夕暮れの情景):いろりで薪を焚くと夕けむりが立ち、枯れ野には風が吹いて日が暮れる。ほういほい、渡り鳥よ、鎮守の神様がいる林に宿をかりられるか。[「宿かさん」がしっくりこなかった]
* 刈田の案山子(1番)…稲刈りが近づくと、寄ってくるカラスを追い払うため、案山子(かかし)を田んぼに立てる習慣がある。稲刈りを終えた後も、田に残された案山子のこと。
* 垂氷[たるひ](2番)…つらら。凍った水滴が、垂れ下がった氷の形になる。
* 榾[ほだ](3番)…たきぎ。いろり(囲炉裏)やかまどなどで、火をたく時に用いる。
* 鎮守(3番)…鎮守神[ちんじゅがみ]地域や建物などを守護する神。

田舎の冬』の初出は、1932年(昭和7年)5月に発刊された音楽教科書「尋常小学唱歌・第五学年」用の教材でした。この教科書の出版元は「音楽教育書出版協会」であり、文部省の国定教科書に大改訂を施した「新訂尋常小学唱歌」(刊行年:1932年-33年)とは全く異なっています。
(参考資料:うたごえサークルおけら・唱歌関連年表新尋常小学唱歌
作曲者の島崎赤太郎(しまざき・あかたろう、1874年7月9日-1933年4月13日)は、日本におけるオルガン演奏の先駆者として活動した人です。彼は東京音楽学校(現・東京藝術大学)で教鞭を執るかたわら、1902年-1906年にかけてドイツのライプツィヒ王立音楽院に留学し、現地で不治の病に倒れた瀧廉太郎を支援し続けたことでも知られています。
尋常小学唱歌」の編纂委員として『田舎の冬』を作曲した後、島崎赤太郎は1933年4月13日に58歳で亡くなりました。彼の墓は東京都台東区の「谷中霊園」にあり、「島崎赤太郎先生之墓」の手前に「昭和八年四月十三日永眠」と記載された石碑があります。(霊園写真

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田舎の冬のお礼

coraさん、こんばんは!
「UR」LはどこのURLかが判らないので空白にしました。

「田舎の冬」を取り上げていただきありがとうございます。
感謝感激です。
はるか60年も前の小学校時代に学校で覚えた曲で、何十年ぶりに時々メロディと歌詞の一部を
思い出しては一人でずっと唄ってきた音楽です。

唄ったりしていると小学校の学芸会で学年代表で講堂で歌ったのがこれだったかな?と思いつつも、
恩師だった音楽の先生亡き今は同級生も覚えている者はなく、私だけの愛唱歌になってきたんです。
4,5年前にネットで見つけたときは懐かしくそして嬉しくて涙が零れましたよ!

ネットではNHK主催全国小学校合唱コンクールの第一回の課題曲だったそうで、当時の関係者の
慧眼に尊敬の念を表したいです~~

coraさんにお願い!
「しいのみ学園の歌」も書いて欲しいです!!

Re: 田舎の冬のお礼

ゆくさん、こんばんは。お越し頂き、ありがとうございます。

ゆくさんのブログがなかったら、私も『田舎の冬』知らないで終わるところでした。
さすが「NHK全国学校音楽コンクール」(Nコン)第1回開催・1932年(昭和7年)小学校の部・女子課題曲だったようですね。
http://www.nhk.or.jp/ncon/juke_box/index.html

私にとっては、とりわけ興味深かったのが「作曲者・島崎赤太郎はオルガニストであった」点かなあ。
このメロディー、間違いなくオルガンの響きがする。それに、お墓は近藤朔風と同じ墓地にありました。

歌詞の意味も難しかったけど、1番「刈田の案山子」を見たら、さだまさしさんの『案山子』の歌を思い出しましたよ~。

いい曲ですね

初めて聴きましたが、惚れ惚れしました。
僕は歌詞よりも曲のほうに興味があって、特にマイナーが好きなんですよ。
マイナーの中でも3拍子が好きということは、暗い人間なのかも?(笑)
とは言っても詩と曲がマッチしてはじめていい作品になり、みんなに親しまれることになるんでしょうね。
詳しい解説をありがとうございました。

Re: いい曲ですね

とらじろうさん、こんばんは。お返事が遅くなって、大変申し訳ないです。
2月は「いいネタがなくて」悩んでいたうえに、タブレット購入&PC設定変更などで忙しかったので、しばらくブログを休んでいました。

『田舎の冬』はマイナーの曲でも、普通の4拍子ですね。3拍子の曲ではない。
これは年配のブログ仲間の方から教わった曲でして、その方がいなかったら「知る機会のなかった」幻の名曲でした。
言葉遣いも古くなったし、こんな風景が減ってしまった。それでも、1度聴いたら忘れられない歌なので、何とか記録にも残しておきたい。
こういう曲との出会いがあるから、更新ペースは落ちても、ブログはやめられないんですよね。
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SC

Author:SC
とにかく音楽が大好き。クラシック・ポピュラーのCDで自室を埋め尽くしています。

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