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Something's Coming

SOMETHING'S COMING」(なにか起こりそう)-ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』(West Side Story)からのナンバー。(作品公式サイト歌詞URL
敬愛する音楽家との出会い-ちょうど29年前の今頃、私の中にも何かが起ころうとしていました。

1978年から歌番組「ザ・ベストテン」に熱中してきた私は、歌詞の意味を知らずに、いつの間にか当時の流行歌ばかりハミングするようになりました。両親の心配は「いつの日かあんな(歌詞のような)生き方をされては、たまったものではない」。将来を心配した家族の勧めにより、私は小学校6年生の春に「ザ・ベストテン」を追いかけるのをやめて、家にあるクラシック音楽のLPレコードを聴き始めました。
自分で“やめよう”と思う決め手になった曲】 沖田浩之E気持』 <歌詞URL

それから間もなくベートーヴェンの交響曲に興味を持つようになり、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮による交響曲第5番『運命』と、ルドルフ・ケンペ指揮による第6番『田園』のLPを聴き始めます。最初はこの2枚だけが家にありました。この次は第3番『英雄』を聴きたい。そこで家族に頼み、9月の一休日に『英雄』交響曲のレコードを探しに街のお店へ行きました。ここで困ったのが、たくさんの指揮者がいて「誰のレコードが良いか」全く見当がつかなかったことです。
(たしか“あの日・あの時・あの場所にカラヤンのもカール・ベームのもなかったような気がする…)
その場で「レコード・アカデミー大賞受賞」の赤い帯がついたレコードが目に留まりました。指揮者はレナード・バーンスタインという名前のアメリカ人演奏家で、1978年録音の新しい物のようだ。「これにしよう」と決めて、家に帰って聴き始めたら、たちまち躍動感あふれる明快な演奏のとりこになってしまいました。50分を超える長大な交響曲なのに、一瞬たりとも退屈に感じなかったのです。この出会いが、私のクラシック音楽ファン人生を大きく決定づける出来事になりました。

LP_Player_MasteringLP_Player_Mastering

この人の演奏をもっと聴きたい。この人をもっと知りたい。それ以後の長い間にわたり、私は人格形成期の大部分をレナード・バーンスタインさんの音楽とともに過ごしました。
この人はミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』の作曲者でもあり、棒振り専門の指揮者が持たないアドバンテージを備えている。楽曲解釈に「作曲家の視点」が盛り込まれる新鮮さ。音楽を聴きながら、自然に体がリズムを取って動く感覚は、この人の指揮でしか味わえない。音楽教育のテレビ番組作りにも熱心な人で、すごく分かりやすい英語を話すから、英語学習もますます楽しくなる。まさしく『ウエスト・サイド・ストーリー』の登場人物・トニーが歌う曲のように、10代の私にも大きな「音楽のよろこび」が訪れたのです(バーンスタインさんの最初の著書名)。
それまでは受け身でやっていたピアノのレッスンも、テクニックの教則本から基本的な音楽理論を練習するのがいっそう楽しくなりました。小学校卒業直前の時期は、スケール(音階)やアルペジョ(分散和音)の練習を意欲的にやりました。しかし、ピアノに関しては本気を出すのがあまりにも遅すぎました。

私が学生時代にFMラジオのエアチェック・テープで聴いたバーンスタイン指揮の演奏は、ほとんどがあの頃「現在進行形」だったウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との録音でした。ベートーヴェンの交響曲全集では、初めての出会いとなった第3番『英雄』のほかに、第1番や第2番の演奏が大好きになりました。ベートーヴェンの初期の2曲は、演奏される機会が比較的少ないのですが、バーンスタインさんのリズム感覚で作品の魅力が十二分に引き出されていました。それからもブラームスシューマンの交響曲全集が続き、高校2年生の夏に出会ったシューマンの交響曲第2番で「今後はバーンスタイン・ファンで通す」私の決心が固まりました。

Audio_Cassette_TapesAudio_Cassette_TapesAudio_Cassette_Tapes

私はある特定のCDを買った日付はほとんど覚えていないのですが(記録も取らない)大学進学後の1989年10月20日、下宿先に近いCDショップで見つけたバーンスタインさんの最新録音に特別な興奮を覚えました。シューベルトの交響曲第9番『ザ・グレート』は、実は私自身が心の中で録音を期待していた曲だったのです。ひときわ美しいジャケット写真に見とれながら“これは現実なの?!”と驚きました。CD盤の演奏はとびきりの明るい躍動感に満ちあふれ、8年前にバーンスタインさんと初めて“出逢った頃のような”「音楽のよろこび」を思い出させてくれました。3か月前の7月16日にヘルベルト・フォン・カラヤン氏が81歳で亡くなった直後でもあり「バーンスタインはまだまだいい仕事をたくさんやってくれる」期待感が膨らんだのを覚えています。それがわずか1年後、1990年10月14日に絶たれるとは…。こうして、私の人格形成期最大のよろこびは21歳の秋に「9年」の短期間で終わりを迎えました。

それから9年後、1999年3月27日に届いたニュース。「俳優・沖田浩之さんが首吊り自殺、36歳」
え~っ、18年前にあんなノーテンキな歌をうたった人が?? 人の行く道は、まことに分からないものです。

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とにかく音楽が大好き。クラシック・ポピュラーのCDで自室を埋め尽くしています。

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